【ガラスキューブ】室内オブジェに使用されるクリスタルとガラスの違い

水晶は英語で「クォーツ」と呼ぶ

では水晶が英語で何というかというと「クォーツ」と呼んでいます。二酸化珪素の結晶でできているものをクォーツと呼んでおり、日本では透明で結晶の大きな石英も水晶と呼ぶことが多いです。水晶にはそれほど厳格な定義はありません。

英語では特別に透明な水晶のことを「ロッククリスタル」「クリスタル・クォーツ」などと呼びます。水晶＝クリスタルというイメージが定着したのは、この呼び方が大きく影響しているのです。

クリスタルと水晶の違い

呼び方の違いが分かったところで、次はクリスタルと水晶の特徴の違いを見ていきます。水晶は、基本的に天然の結晶です。主成分は二酸化珪素ですが、ガラスやクリスタルとは構造が異なる点が特徴です。

とはいえ、人工的に作られている水晶もあるので、水晶がすべて天然の結晶であるとはかぎりません。実際に販売されている水晶に「天然」という記載がある場合でも、本物であるかどうかははっきりとわかりません。特に中国では、天然の水晶の粉を混ぜて作った「クリスタルガラス」と呼ばれるものが存在します。また日本でも本水晶と呼ばれているものは、クリスタルガラスのことです。

クリスタルとガラスの違う点

二酸化珪素を主成分としている非晶質の固体を「ガラス」と呼びます。水晶やクリスタルと大きく異なる点は、人工的に生み出された工業製品であることです。石灰石や炭酸ナトリウム、そして石英を混ぜ合わせた後に成形し、冷やすことでできあがります。その際に主成分となる二酸化珪素が水晶と同じことから、似たものとして扱われているのです。

クリスタルガラスとは？

数あるガラスの中でも、「クリスタルガラス」と呼ばれるガラスがあります。

クリスタルガラスは、クリスタルのように光り輝いており、非常に品質が高く透明度の高いガラスです。一般的にクリスタルガラスと呼ばれるガラスには種類が2つあります。

1. カリガラス：アルカリ成分の木灰を原料として添加して作るガラス
2. 鉛ガラス：ガラスの主成分に酸化鉛などを添加して作るガラス

このどちらかに当てはまるガラスだけが「クリスタルガラス」と呼ばれているのです。

クリスタルガラスの定義

クリスタルガラスと呼ばれるガラスは、日本硝子製品工業会が定義しています。その定義は以下の通りです。

さらに、酸化鉛の割合や成分、密度によって細かく呼び名も分けられています。

1. 酸化鉛30％以上かつ密度3.00g／立方センチメートル以上：フルレッドクリスタルガラス
2. 酸化鉛24％以上かつ密度2.90g／立方センチメートル以上：レッドクリスタルガラス
3. 酸化鉛含有量24％未満かつ酸化鉛単独、または酸化亜鉛などと併せて10％以上：セミレッドクリスタルガラス
4. 酸化鉛が配合されておらず、酸化カリウムや酸化バリウムなどを単独、または一緒に10％以上含むもの：カリクリスタルガラス、バリウムクリスタルガラス、チタンクリスタルガラス